「こんなの100円ショップで売ってるじゃん」という方へ

 ハンドメイドやワークショップのイベントによく出店します。

そこに来てくださるのは、作家さんのハンドメイド作品が好きという人や、ご自分が手作りするのが好きという人が多いです。

 

 たとえば、イベント会場が「手作りマーケット」みたいにテーマが限定されているときは、そこをめがけてきてくださる方が大半なわけです。でもショッピングモールや何かのイベントと並行開催だったりすると、もっといろいろな人がいらっしゃるわけです。

 

 「手作りに興味はないけど、たまたま通りかかった」という人にとって、ハンドメイドはどんなふうに見えるのでしょうか。

 

わたしはおもにお子さん向けのワークショップを企画しています。

なぜなら、ちいさいときに手先を使って工夫しながら自分のイメージを具現化する楽しさを知ってほしいから。思う存分、たくさんの素材を選んで使って、色や形や音を実感してほしいから。

 

子どものころの体験は、大きくなってからいろんなところで活きてきます。どんなに些細なことでも、「こうしてみたら、ああなった」という工夫がその子の考え方を広くしているのです。

 

自分のイメージを広げるためには、与えられたものを組み合わせるだけではなかなか広がりにくい。

だから毎回、選ぶのに困っちゃうくらいテーブルいっぱいの材料をもっていきます。

 

そこから自由に組み合わせて作ってもらう。それが「ちくちくのへや」のイチオシなんです。

先日、ワークショップで出店していたときのことです。

たまたまお買い物帰りに通りかかったとみられる若いお母さん2人組が、ちくちくのへやのブースを覗きにいらっしゃいました。

 

じっと様子をみたあと、ひとりのお母さんが言いました。

 

「こんなん、100円ショップでも売ってるじゃん。300円って、高くない?」

 

「だよね、高いよね」

 

 

 

 

 

きっとそのお母さんたちは、300円で手に入るものの価値観が、わたしとは違うのでしょう。

 

 

その方に、わたしが説教したりすることはありません。

 

でも残念だと思ったのは、

そこでワークショップに参加してくださっているお客さまにもこの声が聞こえてしまったことです。

 

 

子どもたちは目をキラキラさせて、「なにいろにしようかな」「こっちのやつ使おうかな」と頭の中をフル回転させてワクワクしているんです。

 

そしてそれを見守るお父さんお母さんも、わが子の様子をみながら楽しんでいるのです。

 

そういう方たちの気持ちを、なにげないひとことでしぼませてしまう。

 

ほんとうに残念です。

 

あなたがもし参加している側で、親子で手作り時間を楽しんでいるとき、

 

「えーこれが○○円もするの?高ーい!!」

 

と横から言われたら、どうでしょう。

 

 

ちょっと考えちゃいますよね~「あれ?これって高いの?」って。(笑)

 

 

でもね、わたしは胸を張って言います。

 

 

ぜったい参加費以上の経験と価値を提供しています!!!

 

 

「こんなの100円ショップで売ってるよね」

という方へ。

 

どうぞ100円ショップで出来上がった状態のものをお買い求めください。出来上がったものをあなたのお子さんにお与えください。

 

 

でも、わたしのところに来てくださったお客様は、ちくちくのへやのワークショップのモットーをご理解くださって、みえない価値にお金を払ってくださっているのです。けして「○○円でできる」という原価だけで見ているわけじゃないんです。

 

 

「えーこれで○○円?高くない?」

 

っていうのは、心の中か、少し離れたところで言ってください。

 

 

あなたのひとことで、ほかの方のお子さんのワクワクした気持ちや、価値や体験をしぼませることがないように。

 

とくにお子様連れのお母さん、あなたのお子さんも、その一言聞いてますよ。

 

 

 

わたしは、子どもたちが真剣に作っている表情と、出来上がった作品を見せるときのドヤ顔が大好きなんです。